子供の絵本100年の歩み展

1月末まで、いわさきちひろ美術館で「子供の絵本100年の歩み展」が開催されていたので、観に行ってきました。

現在は2018年、100年前というと1910年代、大正時代です。最初期の絵本は昔話を題材にしたものですが、すぐに洗練されて、竹久夢二などの一流の芸術家が参加する子供向け雑誌が創刊されます。展示されていた絵本の原画は、明るく楽しく手がこんだもので、子供に一流のものを提供したいという当時の熱意を感じました。昭和の戦争の時期にいったん戦意高揚を目的とした内容に代わりますが、その後また子供のための絵本に戻ります。

絵本はロングセラーが多いようで、自分が子供のころの絵本とその原画もたくさん展示されていました。中でも、おお、と思ったのが、加古里子さんです。加古里子さんは、化学会社の研究所に勤めたバリバリ理系のエンジニアなのに、なぜか1960年代から絵本を描いていて、90歳を超えた2018年にも新しい絵本を発表しておられます。

展示されていたのとは別ですが、今でも覚えているのが、「かわ」という本です。表紙は地図をのぞき込んでいる子供二人の絵です。ページをめくると、上流から下流まで、川の周りがどんな様子で、どんな施設があって、どんな生活が営まれているかが絵で表現されています。上流は川幅が狭く急で水力発電の取水口があったりするのに対して、下流に来るとだんだんと川幅が広くなり、川の周りに町が広がります。

ワクワクするストーリーはありませんが、想像力を刺激する造りです。いろいろと妄想しながら、いっぱい絵本に落書きしてたなーと、なつかしく思い出しました(Y)。

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