小説紹介「蜜蜂と遠雷」

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デザイン思考を勉強中のYGです。

最近読んだ小説の中で『すごいな』と思った本を紹介させてください。

「蜜蜂と遠雷」です。

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恩田陸さんの小説で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞、第5回ブクログ大賞で小説部門大賞など様々な賞を獲得された小説です。私がわざわざコメントするのもおこがましいですが、少しだけ紹介をさせて下さい。結構な本のボリュームでしたが、まったく気になりませんでした。私はこの本を読むことに没頭しすぎて、肩こりがひどかったです。

ネタバレするので話の内容は書きません!

一番にすごいと思ったことは、文章を読むことで聴覚・そして嗅覚も刺激され、文字を読みながら音と香りが想像できたという点です。文章からこうも具体的にイメージをかき立てられたというのは、非常に印象深いものがありました。話の内容は世界的なピアノのコンクールにコンテスタント(コンクールに出場する人のこと)が出場する話です。私自身ピアノのコンクールに出場したことはないですが、コンクールの普通ではない緊張感を感じ、まるで会場にいるかのようにピアノのメロディーが頭に流れました。

会場の緊張感や、舞台袖の息づかい、曲に対してコンテスタントの向き合い方や、ライバルコンテスタント・作曲家・観客との駆け引き等、読み進めるほどに文章とともに音楽が、頭の中に流れているのを感じました。

話の根幹にある音とは自然が奏でるものだという大きなバックヤードに縮こまることなく、スケールが大きい音楽を読む人間に伝えることができていることは驚きました。これは文章でイメージがかき立てられ、視覚・聴覚・嗅覚の三つを刺激されたからだと思います。

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