寒の戻りと節電努力

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今日は東京は本当に寒く、みぞれまじりの雨となり、久しぶりに手をこすりあわせながら歩くような気温でした。
ニュースでは盛んに、電力ひっ迫に伴う節電が呼びかけられていました。

日経新聞の見出し

電気は生み出す量と使う量を同時に同量にする必要があります。
そうでないと周波数が不安定になり、変電所の安全装置が働くことにより大停電が起こる可能性があります。
日々当たり前に使っている電気は、私たちの意識していないところで、
多くの人が同時同量を保ち続けるための努力を続けているのです。途方もない仕事だなと思います。

今日は結果的に大規模停電は免れましたが、数字を見ると相当危ないところまできていたようです。
なぜこうなったか、簡単に言えば「供給が足りない!」と思ったときに、
すぐさま電力を供給することが比較的容易な火力発電所が先日の地震で複数稼働を停止しており、そのような臨機応変な対応能力が減ってしまっていることが大きな要因です。
ただ、今回の地震による火力の停止は一つのトリガーでしかありません。
東日本大震災の後、再エネの導入がどんどん進み、原発はほとんどが停止したままという状態であり、
代わりに太陽光など、天候に左右される不安定な電源の割合が増えてきていることが、こういう事態になるそもそもの背景にあります。

このまま再エネを促進して火力や原子力は極力減らすことにより、停電になりそうになると慌てて節電することが年数回起こることは、
一般人は多少生活が不便なくらいですが、産業界では、例えば工場を安定稼働させるために大きな障害となり、
ひいては外国に工場を移したほうがいいという判断になる可能性もあります。そうなったときの日本経済への影響は甚大です。
一方で、安定電源を確保するために再度原発を動かして、万が一事故になったら、
また何万人単位の人がふるさとを失うことになるかもしれません。

経済損失という点ではおそらく前者のほうが大きいのでしょう。
しかし、後者で失われるものは、お金だけで測れるものではありません。
どちらが正しい判断なのか、答えはありませんが、ひとりひとりが考えて、議論を尽くしていく必要があると思います。
都会で暮らすには、地方で生産された電気が欠かせません。
もし福島に行くことがあれば、ぜひ原発周辺の町の状況を見て、いろいろなことに思いを馳せてみてほしいと思います。
福島に住んでいたことがあり、今でも原発周辺の町に頻繁に行く私も、まったく結論は出ません。
原発を動かしたいわけがないという感情と、それでは電気の安定供給は無理なのでは?という理性が何年も戦い続けています。
現地のご案内もしますので、色々な人の感じること、思うことを聞いてみたいと思っています。お声がけくださいませ。

(M)

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