ここ数年、愛知県内自治体の廃棄物計画に関する業務をいただく機会に恵まれています。
愛知県には実家があり定期的に帰省しているものの、残念ながら実家周辺(名古屋市~尾張東部)以外はほとんど知りません。
いや・・・そもそも愛知県をほとんど知らないかも(汗
愛知県の地域特性については、ninjya84418さんの地図が面白いのでご参照ください(笑
そこで、実家への帰省に合わせて、知多半島周辺(知多~西三河)の街歩きをしてきました。
訪問したのは、「ごんぎつね」の作者である新美南吉さんの故郷=半田市を中心に、焼き物の街=常滑市、瓦の街=高浜市などです。
知多半島周辺は、窯業、繊維、食品(とりわけ醸造)等の産業が盛んな地域であり、半田市にはミツカンミュージアムや國益酒の文化館、常滑市にはINAXライブミュージアム、碧南市には九重みりん時代館などの産業ミュージアム・資料館が立地しており、これらの施設をまわりながら知多半島周辺を学びました。
その中から今回はミツカンミュージアム(MIZKAN MUSEUM(MIM))をご紹介させていただきます。
ミツカンはご存じのように、「お酢」を製造している食品メーカーです。そう「味ぽん」です。
MIMは、ミツカンの社歴やお酢づくりを紹介するとともに、江戸時代から続くお酢の食文化や創業の地である半田市の歴史を伝える地域拠点となっています。
現在のMIMは、2015年に改修されているようですが、その前身は1986年に資料館として開設された「酢の里」ということなので、産業ミュージアムの先駆けといっても過言ではないでしょう。
MIMは5つのエリアで構成され、それぞれ「大地・風・時・水・光」がテーマとなっています。
館内の見学は、完全予約制となっており、全館コース、大地の蔵コース、社会見学コースの3コースが設定されています。全てのコース、ガイドさんに説明いただきながら見学を行うようです。
私は、9/4_10:00~の全館コース(90分、大人300円)に参加させていただきました。
当日は、月曜日の朝一スタートであるにも関わらず、定員30人に対して15人くらいが参加されていました。驚きです!
駐車場に停まっている車のナンバープレートを見ると、さすがに北九州ナンバーは私だけでしたが、三重、岐阜、横浜など様々な地域から訪問されているようでした。一方で、リピーターとおぼしき地元の方もおられ、地域に愛されている施設であることも感じました。
▼ミツカンミュージアムの詳細はこちら
https://www.mizkan.co.jp/mim/
見学内容は、「すばらしい」の一言。
エリアごとにテーマに沿った展示や演出が施されており、あっという間の90分でした。
随所で5感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を刺激する趣向がちりばめられており、まさに体験型ミュージアムであると思います。
特に以下の点が、印象深かったです。
・お酢づくりのきっかけが酒粕の有効利用(リサイクル)であったこと
・お酢の容器が樽(木)からびんに変わったのはサードパーティーの存在があったから
(お酢の空樽に別のお酢(粗悪品)を入れて販売する業者が出てきたこと)
・ミツカンが企業として成長する中では様々なチャレンジがあった
・地域を愛し、原料を育む自然環境をリスペクトしながらお酢を製造している
見学コース最後の「光の庭」では、味ぽんスタジオでマイラベル味ぽんをつくってみました(笑)
見学を終えて、感じたことは・・・
「MIMは産業ミュージアムでありながら、産業ミュージアムにあらず」です。
もちろん、ミツカンという企業や商品の魅力を伝える施設なのですが、これにとどまらず、食文化・歴史、地域の特徴などを含めた、総合エンターテイメント施設であると思いました。
現在における産業ミュージアムの完成形であるとさえ感じました。
北九州にもTOTO、安川、ゼンリンなど多くの産業ミュージアムが立地していますが、行ったことがない施設もありますので改めて行ってみようと思います。
また、北九州市には、産業ミュージアムだけではなく、エコタウンセンター、環境ミュージアム、イノベーションギャラリーなどもあります。これらの施設でもMIMを参考にしてどんどん進化していってほしいと思いました。
「やがて、いのちに変わるもの。」
我が家の冷蔵庫には、味ぽんや金のつぶ(納豆)が、レギュラーメンバーとなったのでした。(M)