銀幕スターの魅力と磁力

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 劇作家のつかこうへいさんは、老いた映画女優役の岸田今日子さんに、自らの主演映画についてこんなセリフを言わせました。「私が歩く、それがストーリー。私が笑う、それがテーマ。」映画全盛期の銀幕スター達はそれ位の気位とプライドを持っている特別な存在だったようです。昨今は各種メディアの発達や不倫スキャンダル云々もあって、本当にスターと呼ばれる存在は稀になりました。日本には、もういないのかもしれません。

 それでも、ハリウッドにはまだ居ます。私が十代の頃からずっとスクリーンで輝き続ける、憧れの女優はジュリアロバーツさんです。私が二十歳のとき、「プリティウーマン」という作品でLAの娼婦ヴィヴィアンが現代のシンデレラとなる役を演じた彼女は、一躍トップスターに昇りつめて今もフィルムの世界の方です。無論、私生活のスキャンダル云々はあっても、50歳を軽く超えた彼女は今もフィクションの中の存在、女優としてご活躍中です。

 キャリアとしては「ペリカン文書」というサスペンスで法科学生、「ノッティングヒルの恋人」で自身にも重なる女優アナスコットの役を演じた後、「エリンブロコヴィッチ」で集団訴訟に挑む無学なシングルマザー役でついにオスカーをとりました。無論、美しく才能があって演技も上手ですが、ハリウッドにはそんな人達がうじゃうじゃいます。なぜ、彼女はこんな時代でも、特別な存在としてスクリーン越しに人々の心を捉え続けるのでしょう?

 その答えは、アナスコットがラストシーンで「indefinitely」とセリフを発した後の笑顔の魅力と磁力にあります。「ローマの休日」の現代版みたいなプロットとハイライトですが、最後に彼女が見せる笑顔はオードリーさえ超えていました。鬱陶しい天気が続く中、気分や体調が優れない方々にも、是非一度あのフェアリーテールを観て感動することをお勧め。日本の女優であの輝きを放てる方?まぁ可能性があるとしたら、綾瀬はるかさんかなぁ。(T)

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