名前はみたか、堂々二度目の登場である。
人間なら72歳らしいが、生まれ持っての美貌には全く衰えが見られぬ。実は主人の影響で腹肉が年々肥大化しているものの、身体を丸めたりうつ伏せになったりしている限り、誰にもわからぬ。家人は日々我が輩の写真を撮影して、SNSとやらを使って友人達に配信しているようだが、国籍や老若男女を問わず大人気らしい。美形に生まれたことで人間達を喜ばせられるなら、その役割は引き受けよう。無論、皿洗いや風呂掃除は絶対しない。
二年程前に長兄猫が事故死して以来、我が家内部の格付けは明確に変化した。最も高貴で貴い地位に我が輩が君臨して、次が家人、主人は最下層である。要は我が輩の健康で文化的な生活を護り、喜ばそうとする行為が最優先され、家具や備品の配置、生活リズムも全てがそれを起点に再設計されたのだ。実は、心の底であいつらに感謝しているが、甘い顔を見せるのは絶対禁物である。そもそも「ツンデレ」という生き様を発明したのは我が輩である。
最近、雨の日に限らず、昼間はとことん眠いので寝てばかりいる。結果、夜は目が冴えるため、一緒に寝る家人を２～３時間に一度起こして、食事と水を要求する。消化を良くするためとやらで、カリカリと水を混ぜておかゆ状にする作業でいつも寝不足らしい。主人には忙しそうな顔している時を狙ってミャーと声をかけ、風呂場や洗面所でのシャワー水を要求する。じっと付き添ってなければ飲んでやらない。我が輩の世話をサボらせてたまるか。
先般諸事情あったらしく、家人の実父が２か月間我が家で生活していた。自ら近寄ってこないので、こちらから擦り寄って家族メンバーに認めた。クールな人間は嫌いじゃないから。最近、家人と主人はＩＰＳ（Intentional Pet Support）云々とか長生き対策の相談をしているらしいが、医者の過剰関与を受け容れるかどうかはわからん。でも心配しないでいい。我が輩は最低でも百歳まで生きて、お前ら家族とともに残りの猫生を歩んでやるよ。(=^x^=)
