経営者の腕のみせどころ

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一昨年前の秋に家族旅行を企画した際、「黒部ダムを観たい」という義父の要望をきっかけに、立山黑部アルペンルートに行きました。紅葉の時期に天気にも恵まれて素晴らしい想い出になりましたが、その際の宿泊先は「界 アルプス」、星野リゾートが運営する宿でした。いわゆる和モダンの部屋で素晴らしい温泉と雰囲気のあるお庭に囲まれ、フロント脇には地元の語り部が仕切る暖かい囲炉裏があります。お料理も素晴らしく、特に朝食は↓に竈に入りの豚汁がつくのですが、「朝は絶対コーヒーとパン」党の私もびっくりする程の美味しさでした。

そんな星野リゾートを率いるのが星野佳路社長であり、当方にとってはコーネル大学の先輩にあたる方です。星野社長は、コロナ禍で観光産業が壊滅的な打撃を受ける中、いまこそが「経営者の腕のみせどころ」と言い放って、社内外に対する積極的な情報発信を続けています。星野社長の見立てではこの苦境がおそらく1年8か月は続くそうで、その間にインバウンドが回復することはなく、飛行機や新幹線での長距離移動には期待できないとのこと。それでも経営に対する強気の姿勢は崩しません。

曰く、「インバウンドは国内観光需要の2割にも満たないから、国民の海外旅行自粛分を取り込めば十分に補える。」「当面は車で1時間以内に行ける範囲でのマイクロツーリズムが主役。例えば地のモノを食べたいというのは遠くから来る顧客の要望であり、むしろ周辺地域の人々のニーズに徹底的に応えることが重要。」「これまではインバウンドが需要の波を埋めていた。政府がGoToキャンペーンを張るなら、繁忙期や週末等にはクーポン等を使えなくして、繁忙期と閑散期のバランスを図れば、お客様も働き手もWIN-WINになる。」

一流の経営者の言葉に悲観論や精神論はありません。全てのメッセージが前向き且つ合理的です。自らの名前を背負った家業を継いでリーダーの役割を果たす星野社長の志や手腕は圧巻です。なら当社はどうだろう、と考えると実は微妙な想いもあります。幸い今年度の営業は順調ながら、私がオーナー社長ではないのです。株主もおらず、あくまで社会的公器である一般社団法人を率いる立場にある以上、トップダウンのリーダーシップで苦境を突破するよりも社員の力と意欲を引き出すための努力をしたい、逆にそう願っている今日この頃です。(T)

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