少し日にちが過ぎましたが、9月28日は、東京都の「ゴミ戦争」宣言の日でした。
1971(昭和46)年9月28日、当時東京都知事だった美濃部亮吉(みのべ りょうきち)氏がゴミ戦争宣言を行った日です。
1950年代半ばに高度経済成長期を迎えた一方で、東京都内では日々大量に排出されるゴミ問題が深刻化していた時代です。
当時、都内にはいくつかのゴミ焼却炉があったものの、噴煙などが問題視されており代替え案として1960年代初めには江東区の湾内にて埋立処理が開始。10年も経たないうちに埋立処理は限界を迎えてしまうことになってしまったとのことです。
打開策として、都は東京都各区に清掃工場を設ける提案を行いましたが、杉並区は住民妨害により清掃工場の建設が頓挫してしまったとのことです。
そこで、実際に都内から出るほとんどのごみ処理を行っていた江東区は、杉並区の態度を問題視し、杉並区からだけのゴミの受け入れは拒否しました。
あわせて江東区側から提出された自区内で処分場を持つという原則に賛成か反対かを問う意見書を受け、都が主導で解決に乗り出す「ゴミ戦争宣言」が発動される事態にまで問題は拡大することになったとのことです。
その後、東京都行政の主導により改めて東京都全区での清掃工場建設が決定され、ゴミ戦争は沈静化されていきました。
当時の都知事・美濃部達吉氏が「ゴミ戦争宣言」を行った9月28日は、「ゴミ宣言の日」として記念日に制定されています。
過去の歴史の積み重ねで今の東京都の廃棄物処理があることを再認識させられますね。改めて排出者がごみをださないことが基本とつくづく実感します。皆さんの住んでいる町のごみの歴史はご存じでしょうか。知るだけでもゴミ出しの気持ちの変化につながり、未来のきれいな街の環境づくりにつながるかも知れません。いかがでしょうか。
SS