わがまち板宿

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コロナ禍の本格的な入り口となった3月初旬から、義父との散歩を日課にしています。以来、雨天の日と当方が出張の日を除く毎朝7時半~8時半頃まで、近所を概ね7千歩程度歩いてから一日を始めています。日々の入れ替わりで歩く主要なコースは2つ。一つは阪神淡路大震災で焼け野原となった新長田に設置された鉄人28号のモニュメントを横目に商店街を抜けて海岸まで行き、駒ヶ林魚市場を通って戻るコース。駒ヶ林魚市場前では、明石周辺で当日朝に採れたてのヒラメやサワラ等海の幸を直接仲卸から買うことが出来ます。もう一つは須磨離宮公園までの坂を登ってから妙法寺川沿いの公園を歩いて戻ってくるコース。いずれも自然が豊富でのんびり歩きやすい散歩道です。

こうした散歩を半年も続けると、季節に応じた景色の変化を実感出来ます。春は満開の桜から始まり、やがてツツジや五月が咲き、紫陽花が色づくとすぐにアサガオや向日葵が咲き始めます。暑い夏が終わればサルスベリの綺麗な花が咲き始め、その後に続くのが彼岸花、そして金木犀。銀杏の葉が黄色くなり始めた頃、銀杏の実が落ち始めます。夏頃から収穫を狙っていた義父と私は、先日の雨の後に公園に落ちていた銀杏の実を集めて持ち帰り、種を取り出して網の上で日干しにしました。その写真が↓。昨夜、父が炒った銀杏を、家内がキノコ類や秋野菜と一緒に炊いて酸橘を搾り、すまし汁を作ってくれました。元々は公園で拾った銀杏ですが、「素晴らしく美味!」。(^o^)

自慢の義父は今年で80歳を迎えますが、元々消防士だったこともあり、姿勢良く颯爽と早足で歩きます。私がボディーガードのチンピラのようにお供して付いていくイメージです。市場で季節の魚を買って朝から捌いている週末には、豊かな海の近くに住むありがたみを感じます。また、日々の日課は人間関係も広げてくれます。夏のある日、交番前に立っていた若い警官と立ち話をした際、彼は義父が市民を守ってきた先輩であることを知り、今や「おはようっ!」と声をかける度に敬礼で応えてくれます。その他にも、ボランティアで交通整理をしてるおじいさんやお姉さん達と笑顔で挨拶を交わしたりする中、少しづつこのコミュニティの一員という意識も持てるようになりました。

わがまち板宿は神戸市の下町ですが、ありがたいことに商店街も健在で、パン屋さん、魚屋さん、蒲鉾屋さん、珈琲屋さんなど、顔馴染みの素敵なお店が沢山あります。飲食店も充実しており、週末はお気に入りの和食屋さんや美味しいそば屋さんで過ごしたりもします。テレワークやステイホームが定着した昨今だからこそ、三ノ宮まで出かけずとも豊かな暮らしが出来る素敵なまちだなぁ、と実感する毎日。このまちに越してから5年以上が経ち、今後何年このまちに住み続けるのか全く予測はつきませんが、季節感や地縁が薄い東京で生まれ育った自分にとって、掛け替えのない景観や心地よい人脈に囲まれて充実した日々を過ごせる「ふるさと」になりつつあるのです。(T)

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