キセキの続き

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 メダルラッシュに沸いた東京オリンピックでしたが、最大のキセキは女子バスケットボールの決勝進出でした。曲がりなりにも中高6年間バスケをやっていた者として、語りつくせないほどの敬意を感じており、小さな巨人とも呼ぶべき彼女たちの活躍と勇気は今でも信じられません。第三クオーターで20点差つけられたら、普通は心が折れます。もともと実力差が点差に直結する競技なのですが、彼女達は米国に最後まで勝とうとしていました。

 準決勝のフランス戦後、我が桐朋高校バスケ部OB会のSNSでは、「そりゃあれだけ身長が低くても、3ポイントが50%以上成功、しかも走り勝って、ディフェンスリバウンド取れれば勝てますよね」といったやりとりをしていましたが、そもそもそれ自体が無茶苦茶な話。野球で言えば、「ホームランを打てず全く三振をとれなくても、全員が4割以上打って、盗塁しまくって、ピッチャーは内野ゴロ打たせられれば勝てますね」と同じレベルです。

 中でも1試合18アシストというオリンピック記録を作ったポイントガードの町田瑠唯選手は衝撃でした。身長は162㎝で「可愛い!」という男性ファンも増えたようです。ただ、私に言わせれば、あの天才的な視野とパス技術への「憧れ」が最初、次に信じられない運動量への「尊敬」、最後にどれほどの練習を乗り越えたのかとの想像に伴う「吐き気」を覚えます。すえた匂いの体育館でバッシュを履きながら練習に臨む時の気分を想い出しながら。

 今回のキセキには続きがあります。怪我で今大会欠場となったエースの渡嘉敷来夢さんは世界標準のセンタープレーヤーです。仮に彼女がハイポスト(フリースローライン辺り)でボールを持って、シューティングガードの3ポイントマークを少し引きはがせば、あるいはスクリーンプレーでインサイドへのドライブをフリーに出来れば、米国代表との力の差は更に縮まります。3年後、もう一度大きな夢を見せてほしい、心から応援しています。(T)

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