自分の誕生日と一緒な方に出会うと運命を感じずにはいられません。『きっと神様がお導きになったのだわ』とか、芸能人やスポーツ選手と一緒だったりすると、その方と非常にシンクロした気分になります。昔の著名人だったら、その方の生まれ変わりではないかと思った方も結構いらっしゃるのではないでしょうか・・・。
そんな妄想は「誕生日のパラドックス」が打ち破ってくれます。
「誕生日のパラドックス」とは、学生時代にクラスメイトの中に誕生日が一緒な学生がいて『とても凄い!』と思ったことはありませんか。二人を血がつながった双子であるかのような眼差しで見ていませんでしたか?
しかしながら、クラスメイトの中に誕生日が一緒な学生がいるのは、それほど珍しいことではありません。これは確率でしっかり計算することができます。
計算してみましょう。
クラスメイト=40名、1年=365日とします。計算方法としては、全体(100%)から40人の誕生日が一緒にならない確率を引きます。
1人目と2人目の誕生日が一緒にならない確率が364/365、1人目が2人目、3人目と誕生日が一緒にならない確率が363/365・・・以下同様に40人分の確率を掛け算し100%から引きます。これを計算すると約89%の確率で、クラスメイトの中に誕生日が一緒な学生がいることになります。よって、クラスメイトの中に誕生日が一緒な学生がいる確率は、『よくある確率』となってしまいます。
そもそも人間は正確な確率を認識して行動をしていません。これは行動経済学でもしっかり証明されています。一番いい例は、『宝くじで1等が当たったらどうしよう!?』と考えたことは誰しもあるかと思います。ですが宝くじ1等を当てることより、今日事故で死んでしまう確率の方が遥かに高いというのが現実です。
「誕生日のパラドック」や「1等宝くじの当選確率」など論理的に考えれば起こりうる確率(起こり得ない確率)を、客観的に判断することができます。おそらく人間が勉強しないといけない理由は、この客観的な視点を身につけるためではないでしょうか。自分が得た経験に客観的な視点を加えることで新たな目線で物事を判断できるようになり、人間としての視野が広がっていくのではないでしょうか。
【YG】