Queerがくれた教訓

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 シネイド・オコナーさんが亡くなりました。普通じゃない美人ですが、髪の毛を丸刈りにして、いわゆるセクシャルな魅力のマーケティングは徹底的に拒否しました。当時、セックスシンボルで売り出したマドンナの真逆の道を歩んだアーティストです。幼少時に母親から虐待を受け、教会でも虐待を受けた経験があったため、米国バラエティ番組でローマ教皇の写真を引き裂き、「Fight the real enemy」と言い放って大騒ぎになったこともあります。

美しくて力強い声を持ちながら、自らをミュージシャンと呼ぶことなく、マイクの前で表現をすることを「surviveのための手段」と主張しました。1990年代前半にはプリンスと並んで「Queer」(本来は風変り程度の意味ですが、性的志向が不確定な方々を指します。)の象徴となり、その後四度結婚して四人の子供を授かりましたが、「1/4はレズビアン」と公言し、性欲をあからさまに語ることも厭わない、真に自由な魂を象徴する方でした。

折しも日本では、賛否両論ある中、LGTB理解増進法とやらが成立したそうです。私が米国で暮らしていた際もゲイやレズビアンカップルの友人達は普通にいて、何のトラブルもなく暮らしていたので、そもそも「理解増進」という表現自体が大きなお世話としか感じません。大切なのは、自分が何者かを他者に規定されることへの怒りであり、自己表現の自由であり、無意味な社会規範への屈従を拒否する権利だと、オコナーさんは教えてくれました。

オコナーさんはメンタル・フィジカル共に問題があり、息子さんが自殺したという経緯がありますが、報道によると自然死みたい。それでも、人生を戦い続けた彼女の生き様はたくさんの教訓を与えてくれます。他人の期待に応える必要なんてないこと、人は本来自由であること、無意味な忖度はしないこと、等々。私も見習って残りの人生を歩むつもりですが、それでもまぁ、会社の売上達成のための収支計算くらいはしちゃうかなぁ。(^^♪(T)

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