「ジェネレーションX」の青春時代

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 「ゆとり世代・さとり世代」など、古今東西を問わず若者の特徴や性質を一括りにする表現がありますが、1960年代中盤から70年代に生まれた私の世代は米国で「ジェネレーションX」と呼ばれています。その特徴は個人主義と内向性、政治社会に対する無関心にあると言われ、日本でいうところの「しらけ世代」に該当するのかと。社会全体は概ね豊かなのに、企業統治やグローバリゼーションの本格化に伴って就職等には苦労した世代です。

 私自身が20代を米国の大学で過ごしたため、そのニュアンスは理解できます。特にニューヨーク州イサカ市にある大学院に居た際は毎日勉強ばかりでしたが、何となく楽観的でリベラルな雰囲気も溢れていて、目先の状況は困難でもその先にあるITバブルの予兆を感じていました。リベラルで牧歌的なクリントン政権の下で、世界中から若者を惹きつけながら理想を追い求める強くて明るいアメリカのイメージが保たれていたのです。

 そんな私が大学院に入学した1994年にスタートした大ヒットドラマが、「フレンズ」でした。マンハッタンに住む個性豊かな同世代の主人公達が、恋愛や仕事、友人関係を通じて織りなすシチュエーションコメディ。今ではNetflixでも無料配信されており昨今改めてはまってしまい、全話を視聴しました。実は同級生達に誘われてpremiere(ドラマ試写会)に参加したので、録音された私自身の笑い声が今も映像に使われているかもです。(^^♪

 当時の放送内容を今の米国の価値観に照らせば、「白人ばかり」とか「LGBTの取り扱いが雑」といった批判を受けるかもしれない。それでも、練りこまれたプロットと軽快なセリフ廻し、暖かいユーモアに溢れた素晴らしい作品なのは間違いありません。意識高い系の人々が声高にポリティカルコレクトネスを叫ぶ昨今ですが、同世代の皆さんがおおらかだった青春時代を想い出す上で最適な極上のエンターテインメントとしてお薦めします。(T)

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