大御心と真心

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本ブログでは政治的にデリケートな話や本業の話はしないことにしているのですが、令和時代の幕開けにあたって、上皇ご夫妻に対する個人的な想いに触れさせていただきます。当方らしくない格式張った表現にはなりますが、上皇ご夫妻のこれまでのご公務や品位あるお振る舞いの全てに、一国民として改めて心からの感謝を申しあげます。

GWは例年通り海外で過ごしており、譲位に伴う退位の儀式が行なわれた4月30日はクロアチアのドブログニクという街に居ました。当日朝、現地はあいにくの雨で外出が遅れたため、運が良いことに、天皇陛下としての「最後のお言葉」を大々的に生中継していたBBCニュースでご拝聴することができました。譲位に至るまでのご発言と合わせて受け止めつつ、いわゆる大御心という言葉の意味を理解出来た気がしました。

大変僭越ながら個人的な想い出もあります。東京在住時は家内との赤坂ご用地周辺散歩が日課でしたが、出勤前でいつも薄汚いジャージ姿でした。ある日、正門から出てきた黒塗りの御料車に、当時の陛下と美智子妃殿下のお姿がありました。権田原坂の歩道に直立不動で固まった中、何と美智子妃殿下が我々の目を見て手を振ってくださったのです。慌てて拝礼した覚えもありますが、既に車は過ぎ去った後。

美智子妃殿下のお心遣いに係るエピソードは枚挙にいとまがありませんが、個人的な経験としても極めて鮮烈に記憶に残っています。あのご所作が、「たまたま」なはずがありません。ジャージ姿の国民にも常にお心を配る妃殿下のお姿こそが、国民とその象徴を支えてきた真心そのものだったと確信しています。大御心と真心が支えた平成の世を全うできたことは幸せであった、そう心から感じています。(T)

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