芸人だよ、バカヤロー!

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 私はいい歳こいて未だに下品な毒舌や下ネタを吐いたり、それを聞いて喜んだりする性根が抜けません。おそらく、物心ついたころからずっと憧れてきたビートたけしさんの影響です。照れ屋のくせに大胆なたけしさんには、見栄っ張りで粋な江戸っ子特有の色気があり、吉本芸人とは全く違った魅力があります。知性や努力が届く範囲を超えた才能や美意識を持った不世出の芸人さんであることは、間違いありません。

 そんなたけしさんの青春時代を描いたNETFLIXの「浅草キッド」という作品を観て、号泣しながらも、その深い魅力を再認識しました。たけしさんを演じた柳楽優弥さんは勿論素晴らしかったのですが、全国的には無名な師匠である深見千三郎を演じた大泉洋さんの演技はその上を行っていました。昭和の浅草の雰囲気を再現しつつ、たけしさんが語り継いできた伝説の人物像を最高にかっこよく、暖かく、説得力をもって再現してくれたのです。

 劇中で客席に喧嘩を売った深見に対して客が怒号を浴びせました。「偉そうによう。なんなんだよ、お前はっ。」深見はお返しに啖呵を切りました。「芸人だよ、バカヤロー!」この決め台詞には、プロとしての矜持を感じます。誰でも出来ることではないからこそ芸であり、自尊心を保ちながらお金をいただけるのです。つっぱった結果、失うものもあるかもしれませんが、やせ我慢しても自負心を失わずに堂々と生きるための大切なヒントを感じます。

 深見はたけしに教えました。「いいか、たけ、客に媚びるなよ。何が面白いかはお前が客に教えてやるんだよ。」私にこんな説教は出来ませんが、当社の社員達にもその心意気だけは伝えたいと思います。コンサルタントが、クライアントの目先の要望通りに作業をするだけなら、単なる便利屋に終わります。正しいと思うこと、相手の中長期的な成果につながることを真摯に考えて提案し続けられる、誇り高いチームを作っていきたいです。(T)

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