年のせいか顔面と背中の湿疹が悪化してきたため、観念して皮膚科に行ってきました。おばあちゃん先生から風呂の習慣や洗顔法まで含めた丁寧な問診があり、飲み薬やステロイド等軟膏を処方してもらいましたが、最後に一番強調されたのが「治るまでは、赤箱の牛乳石鹸で顔と体を洗ってくださいね」というアドバイス。早速帰り道のドラッグストアで購入して使ってみたところ、香りや肌触りもいいし、気のせいか改善し始めた気もします。
誰もが知るロングセラーですが、驚いたのは6個入り大箱が670円で買えたことで、ちょっと気の利いたクレンジング一つより安いのです。大きなお世話ですが、国内の「固形石鹸」の市場規模が気になって調べてみたら、約160億円でした。「ボディソープやシャンプーに置き換えられたのかな?」と考えて調べてみたら、そっちも約744億円程度で合計しても約900億円規模。要は、錚々たる粧業品メーカが奪い合うには小さすぎるのです。
一方、昨今話題の「紅麹サプリ」の事故報道を観て、「健康食品・サプリメント」の国内市場規模を調べたら、なんと1兆2,385億円。そりゃ、テレビCM使って大手製薬メーカや飲料メーカが必死で売り込み合戦をするのもわかります。医薬品と異なり、ネットや通販、コンピニ等販路も自由ですから。単純にビジネス目線で見れば、本来不用なモノで喰いあいもなく新市場を生み出してきたという点で、素晴らしい経済成長への貢献といえます。
ただ、純粋な新市場創出は例外的で、例えばアマゾンやコンビニは、消費者ニーズに応えつつ、結果的に他の小売市場のシェアを奪いました。YouTubeやNetflix等配信動画もテレビやDVD等の市場を奪ってきたのです。正直、サプリメントみたいな発明、我々が取り組む環境ビジネスでは難しいかもです。むしろ牛乳石鹸を見出し、その魅力を伝えてイノベーション(業種や機能の組合わせ)で個社の力を高める支援の方が現実的かもしれません。(T)