ルーブル美術館展

先日、新国立美術館で開催されている「ルーブル美術館展」に行ってきました。今回の展示は「肖像芸術」がテーマとのことで、古代から人の姿がどのように絵画や彫刻で残されてきたかをまとめて見られる構成でした。(ちなみに雨の日で、空いていてゆっくり見られました。)

展示の白眉はナポレオン像です。ナポレオンが皇帝になった時の戴冠式の姿を立像にしたものですが、衣服や靴の質感の再現が素晴らしく、実際は大理石でできている衣服のレースがふわふわの生地にしか見えません。とても大理石とは思えない不思議さは写真を見ても伝わらないと思いますので、実物を見るのがおすすめです。

個人的に最も印象的だったのは、エジプトのミイラの棺用のマスクでした。紀元前1300年のマスクと2世紀後半のマスクが展示されていました。紀元前1300年のエジプトのマスクは、とても3000年以上前のものとは思えない鮮やかな色が残ったマスクです。ただし、顔の形はマスクらしく若干抽象化されています。それに対して2世紀後半のほうは、亡くなった人の顔を忠実に再現したと思わせる、人間らしい顔立ちのマスクでした。きっと、亡くなった人の記憶をそのまま残したいと思ったんだろうなあと、マスクを作った人たちが故人を惜しむ気持ちがなんとなく想像できた気がしました。

現代ではスマホのカメラをみんなが持っていて自撮り写真を撮りますが、道具が変わっているだけで、2000年前の人たちとやってることは変わらないのかもしれません。人間の感情の普遍性を感じました。美術展は9月くらいまでやってるみたいですので、よかったら訪問してみてください。(Y)

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