青春時代の憧れ、「あぶない刑事」が帰ってきました。高校生の頃にスタートしたテレビドラマでしたが、タカとユウジのカッコ良さに毎週痺れていた記憶が薄れるはずもなく、家内は全く興味がないので一人ででも映画館に行ったのです。スクリーンで躍動する二人は相変わらずの暴れっぷりで、コンプライアンス違反が心配になる程に拳銃もバンバンぶっ放します。ただ、何より驚いたのはアップで感じる俳優の表情やふるまいの美しさでした。
調べてみたら、舘ひろしさんは74歳で、柴田恭平は73歳、昔で言えばお爺さんです。無論、俳優として、ダンサーとして、モデルとして常に人目を意識してきた積み重ねでしょう。今回の作品でも、美人キャスト役で土屋太鳳さんや吉瀬美智子さんらが登場しますし、確かにお綺麗なのですが、お二人と同じ画面に映るとただのお人形さんになっちゃいます。年齢を重ねたからこその「美」が持つ説得力は、生まれ持った容姿の域を超えるのです。
米国留学中の昔、「世界で一番美しい人は誰?」という与太話をしたことがあります。皆がブラットピットやらシンディクロフォードを挙げている中、デザイナーの友人はショーンコネリーと答えました。当時は既にアンタッチャブルやインディージョーンズでお爺さん役ばかりしていましたが、その友人は”Beauty is Character”(美って個性だよ)と言い張りました。その意味が、今ならわかります。例えばアルパチーノは今も美しいのです。
無論、美しいお爺さん達を観に行け、というのは若い方々にはあまり魅力的な誘いではないでしょう。とにかく誰が観てもこの映画は面白いし、笑えるし、スカッとします。ストーリー?いつも通り女性が誘拐されてお二人がバディとしてふざけた会話を交わしつつ、命懸けで助けに行って悪い奴らをやっつけるだけですが、なにか?複雑に考える程に陰鬱になるこの時代だからこそ、「帰ってきたあぶない刑事」の鑑賞をお勧めします。(^^♪(T)