「やきもの」文化圏で育った者にとってGWは陶器市の季節でもあります。
九州には有田を筆頭に焼き物の産地がいくつもありますが、私は北九州に来て13年が経過しようとしているにも関わらず、九州の陶器市に参加したことがありませんでした。
そこで、雨上がりの4月30日(土)「2022年波佐見陶器まつり」に行ってきました。
波佐見町は長崎県にありますが、北は有田(佐賀県)に、東は温泉で有名な嬉野(長崎県)に隣接しています。
北九州からは九州道を経由して約2時間。朝は曇り空でしたが、道中は晴天に恵まれ、大好きな音楽を聴きながらドライブとしても快適な小旅行となりました。
波佐見焼は、白磁に藍色で絵付けされた日用食器が代表的な作風です。
個人的なイメージですが、有田よりも庶民的で親近感があり、何よりもほとんどが電子レンジに対応しているため、使いやすい食器であると思っています。
私が育った愛知県には、瀬戸焼や常滑焼がありますし、隣接する岐阜県には美濃焼、三重県には萬古焼などがありますが、いずれも赤・茶・黄色など土の色が前面に出た食器が特徴です。そのため、波佐見焼の透き通るような白い食器はとても清潔感があり新鮮でした。
さて、「波佐見陶器まつり」ですが、新型コロナの影響で3年ぶりの開催、初日である前日が雨だったこともあり、当日は非常に多くの人で賑わっていました。、特に若手作家らしきブースでは、スタイリッシュでおしゃれな食器が多かったことがとても印象的的でした。
会場である「波佐見やきもの公園」には町内の窯元や商社、約150店が軒を連ねていたようですが、周辺の至る所に町民らしき方々が誘導員として参加しており、街全体が「おまつり」を盛り上げようとしている雰囲気がとても伝わり「ほっこりとした」気分になりました。
▼2022年 波佐見陶器まつり
https://hasamitoukimatsuri.com/
今日の私のお目当てはどんぶり鉢とパスタ皿。
ところせましと並ぶ食器たちに目移りしながら、ともかく会場を1周して物色します。
実はうちの食器たち、一人暮らしを始めた30年前からほとんど変わっていません。
増えたものといえば、いただいきもののコーヒーカップや小皿(主に結婚式の引き出物)、宅配パスタ屋さんの飾り気のないお皿くらいで、自分で買ったものは数点しかありません。
しかし、在宅勤務の長期化によって利用頻度が増え、電子レンジ多用による勤続疲労で、大型の食器にはひびが入ったり、割れたりしてしまっていました。
ゆっくりと2時間くらいかけて会場内を2周して、結局、最初に手に取った窯元のどんぶり鉢2点と最後にふらっと入った卸売業者のテントで見つけたお皿2点の計4点(合計1万円くらい)を購入して大・大満足。
何を盛りつけようかあれこれ想いを巡らせながら帰路につきました。
そして・・・昨日の昼食。五島うどんがデビューとなりました(笑
なお、都道府県別の陶磁器の生産額ランキング(出荷額、2017年)を見ると、1位の岐阜県(美濃焼)、2位の佐賀県(有田焼)に次いで長崎県は3位となっています。(愛知県は6位)
しかしながら、日用陶磁器の国内生産額は、2003年の782億円から2018年の271億円と6割も減少しているそうです。
▼参考資料
https://www.sbbit.jp/article/cont1/37077
購入した食器たちを胸に抱え、会場を後にして駐車場手前で信号待ちをしていたところ「お目当てのものは買えましたか?」と、にこやかな笑顔で話しかけてくれた地元の方らしき誘導員のおじいさん。
すぐに信号が変わってしまったので、ろくに返事もできませんでしたが・・・「たからものがふえました。またきますね」と心の中でお礼をして車に乗り込みました。
おうち時間がふえたこのタイミングで、陶器市でお気に入りの食器を探してみるのもよいのではないでしょうか。(M)