「ドラゴン桜」が面白い

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 バブル期直前に男子校で育った高校生達の志向は大きく2極に分かれていました。簡単に言えば、直接女性のグラビアやヌードが見たい「週刊プレイボーイ派」と、女性にモテたくて自分磨きのために雑誌を読む「メンズノンノ派」です。当方は当然前者の一員でしたが、後者の目標は男性モデルの風間トオルさんと阿部寛さん。特に阿部寛さんは長身のイケメンで中央大学理工学部在籍、間違いなくバブル期高校生の憧れでした。

 男性モデルには全く興味がなかった当方が、彼の存在を意識するようになったのが今は亡き天才演出家つかこうへい氏のお芝居への登場であり、1993年に阿部寛さんが主役を務めた作品が「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」。今や古典的な題材となった木村伝兵衛というベテラン刑事役をバイセクシャルの設定にして、つかファンにはお馴染みの「白鳥の湖」の音色をバックに裸体で体をくねらす主演の彼は正に役者になりました。

 当時は舞台終了後の挨拶で、「本当にいつまでもお芝居が下手くそで、すみません。」と謝っていた彼ですが、その後は映画やドラマで実績を重ねて年齢も56歳、日本を代表する俳優の一人となっています。そんな彼が主演を務めているドラマが「ドラゴン桜」、おじさん達が大好きなTBS系列日曜日夜9時からの枠で放映中です。落ちこぼれ達の高校を舞台に、「いいかぁお前ら、バカとブスこそ東大に行け」と啖呵を切る桜木先生の姿は最高!

 ちなみに同作品で教頭先生役を務めている山崎銀之丞さんは、モンテカルロ・イリュージョンの大山金太郎役で阿部寛さんと共演していたつかこうへい劇団出身の役者さんです。今度は山崎さんがゲイの設定になっているあたり、プロデュ―サーも同世代でつか作品へのオマージュなのではとさえ想像してしまいます。暗い世の中で、シンプルに明るい一筋の希望のような輝きを放っている作品、「ドラゴン桜」を皆さんも是非一度ご鑑賞ください。(T)

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