コロナショックに伴う自粛が続き、陰鬱な気分で目覚めたある朝スマホをいじっていたら、SNS上で「吉村寝ろ」という記事がトレンド入りしていました。きっとテレビ画面から伝わるあなたの一心不乱でウソのない仕事ぶりや目の隈を見て、せめて体調を崩さないで欲しいと願う大阪府民からの愛あるメッセージだったのですね。その流れで、「鈴木寝ろ」(北海道)「小池寝ろ」(東京都)「井戸起きろ」(兵庫県)「大村寝てろ」(愛知県)と続いていたのには大笑いしてしまい、暫し晴れやかな気分になりました。皆、見るとこは見ているなぁと。
20年以上前、私も大阪で3年間暮らしていました。今や昔のことですが、信じられないことに、当時の府知事はあの横山ノックさんだったのです。誰もが政治なんかに期待することなく、「おもろかったら誰でもいいやん」とヤケクソになったあげくの選択でしょう。その後を継いだふーちゃんとの連続技により、大阪はいよいよ地に墜ちることになりました。経済的には財政健全化団体に陥る寸前にまで至り、治安面では警察の不祥事が多発、不名誉なことにひったくり件数は不動の15年連続全国一位の座を堅持、という有り様。
そんな大阪を変えるきっかけを作ったのが橋下徹さんであることに疑いありません。ただ、喧嘩上等の姿勢や言動の危なっかしさが仇となり、残念ながら在任中の都構想実現はなりませんでした。彼が生み出したモメンタムを引き継いだのが貴方であり、今や大阪府民のみならず、日本全体にとっての一筋の光明となっています。橋下さんの改革をベースに、貴方と松井市長が進めてきた政策は目に見える結果を出しています。梅田は世界に誇れる素晴らしい都市になりましたし、交通インフラも一層充実、ひったくり件数は95%も減少したのです。
そんな貴方に、一つだけお願いがあります。早くも「次の総理候補」という声さえあがっていますが、出来れば国政進出だけはしないでください。むしろ、大阪府の改革に目処が立ったら次は兵庫県、その次は京都府といった具合に、プロの首長として地域からこの国を変えていっていただきたい、そう心より願っています。いわゆるアフターコロナを迎える頃、地域社会が担う役割とそれを支える行政の力が今まで以上に問われる時代が来るでしょう。市井の民が僭越ながら、貴方にはそんな次世代の主役を張る資質をビンビン感じています。敬具(T)