別会社の部下が男性育休を経て業務に復帰しました。可愛いか?と聞いたら、「まだ視力が低くて見えないはずなのに笑ってくれるし、最高です」と。私からは「素晴らしい、なら赤ちゃん超えて十分に人間だ」と伝えました。笑える動物は人間だけです。感情豊かだったうちの猫達だって満足げで優しい表情は見せてくれましたが、ゲラゲラは笑えなかったし。その担い手のお笑い芸人、特に短時間で爆笑を生む漫才師達は、私には憧れの存在です。
昨今のお気に入りがオードリーさんで、今や東京ドームを満杯にする程の人気者になりました。彼らのいわゆる「ズレ漫才」について、若林さん自身は売れない頃のツッコみの春日さんが「確かに下手だな~と思いまして、で、変なところでツッコんでくるのを『おい、それ違うだろ!』って言ってる部分、そこの言い合いの口喧嘩みたいになってるところが一番お客さんの反応が良かった」ことがきっかけで、今のスタイルの原型が出来たそうです。
彼らのユニークさはこの点にあります。ボケがしゃべり倒して突拍子もないことを言った後、ツッコみが適格なタイミングでオチを着けるツービートやB&B以来のオーソドックスな漫才は、ナイツさんや華丸大吉さんらが継承しています。無論、サンドイッチマンさんや中川家のコント漫才も含め、全て天才達の才能がなせる業。ただ、ツッコみが間違えて結果ボケて、進行がツッコみ直して笑いを取るとのメカニズムはオードリーさんだけかと。
私は普段、ゲラゲラ笑って観ているだけですが、例えば大阪教育大学の方が「お笑い芸人オードリーの漫才の表現特性」という卒論を書き、ワークシート上で会話のメカニズムを真面目に分析しています。私と同じオードリーさんファンでしょうが、そのご意見には正直共感できませんでした。無論、今後AIがいくら賢くなって分析しても、人を笑わせるメカニズムは論理的に解析できないはず。我々凡人は、新たな天才の登場を待つのみです。(T)
