ほぼ40年前のこと、中高一貫校のバスケットボール部に所属していました。7時半からの朝練に出て、その後の授業はサボってマックや喫茶店で過ごしても、15時からの練習までに体育館に行く習慣だけは欠かしませんでした。私自身はへたっぴで、うちの代は弱かったのですが、最後の大会でスタメンになれたこと、都内で300校以上参加する大会でベスト32に行けたこと、その各試合は今も想い出すし、いわゆる「青春(あおはる)」でした。
そんな母校の中学バスケ部が、都大会と関東大会を勝ち抜き、この夏の全国大会に進出しました。母校は中高ともにスポーツ推薦が一切ない進学校ですが、時々素晴らしい世代が活躍して、都内ベスト4とかインターハイ選抜になる選手を生み出す隠れたバスケ名門なのです。古武術の動きやナンバ走り導入で勝ち抜いた高校として、NHKでも特集されました。SNS等で先輩達から常時配信される後輩たちの活躍は、我らOB全員の誇りです。
バスケだけに集中出来る体育会系の名門校相手に、なぜ我ら母校が勝てるのか?その答えはおそらくバスケ自体の変革です。3Pシュートが導入されたのは私が中3の時で、ゴール下にボールを入れて確実に点を取るスタイルが主流の当時では亜流でした。それが今やプロアマ問わず、ガードがカットインしてフリーのフォワードに外パスを出して3ポイントを決める戦術も常識になりました。結果、身長や体格差のハンディが減ったのです。
レベルは違いますが、先般のワールドカップで五輪出場権を勝ち取った日本代表は、全ての選手が高精度の3Pを打てるチームでした。特に身長が2m6cmある渡邊雄太選手がまるでシューティングガードのようなプレーをするのは正にワールドクラス。漫画のような試合の連続で素晴らしい夢を魅せてくれました。映画「スラムダンク」の世界的なヒットと足並みを揃えて、バスケが日本でもメジャースポーツの道を歩み始めたようです。(T)