まだ21歳の時、UCLAでマクロ経済の基礎講座を受けた時、担当教授が最初の授業で言いました。「経済学とは、均衡(equilibrium)とは何かを考え続ける学問です。経済が常に均衡に向かうことは事実ですから、今日から経済を学ぶあなた方にも均衡について考えていただきます。ただ、ノーベル賞を受賞した経済学者も、死ぬまで均衡の意味を考え続けているのです。」その動的で不確かな均衡の意味を、今も私は考え続けています。
昨今、円安が加速しています。上述の話を私が聞いた30年前は1ドルが約90円、今や約130円です。当時日本はバブル期でしたから、アメリカの物価の安さは衝撃的でした。何せ大好きなビッグマックが100円しないのです。腹一杯食べるのが夢でしたが、すぐに3つ食べて飽きてしまい、更にチキンマックナゲットで気持ち悪くなるまで食べても400円以下でした。インフレが進む今のアメリカの事情は全く異なり、1500円以上になるのではないかと。
金利に係る議論が本格化しています。すで輸入超過の我が国で、金利上げ→消費減→需給ギャップ拡大→生産活動停滞→雇用減→更なる景気後退に伴うスタグフレーションという流れを避けたいのが黒田さんです。ただ、給付金や消費税源を含む財政拡大→需給ギャップ縮小→生産活動活性化→雇用拡大→消費増→景気拡大というシナリオは本当でしょうか?コスパというつまらない言葉が蔓延する中、手元資金が増えても、欲しいものが無ければ消費は増えませんし、そもそも幸福を伴わない均衡は無意味です。
要は均衡を規定するのは消費者の自覚的な価値観かもと、素人の私は考えてます。今の私にビッグマックを3個食べられないし、苦痛でしかありません。例えば可愛い猫や家族と穏やかに過ごすこと、海外の爽やかなリゾートのハンモックでうたた寝すること、などなど、自ら幸福を得る手段を考えることが正しい消費拡大につながり、多くの人々が幸せに暮らせる均衡をもたらすのでは?働くことや稼ぐことだけじゃなく、自分なりの幸せの均衡を見直してみましょうよ、何せGWですから。^ – ^
(T)