鬼はそと、福はうち

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本日は節分、鬼を退治して福を呼び寄せる大切な日です。東京育ちの私にとっては「節分」≓「豆まき」でしたが、15年以上前に関西人の家内に初めて教えてもらった「恵方巻きの丸かじり」も、今やすっかり国民的行事になりました。ここ数年はコンビニ販売向けの売れ残り食品廃棄物が云々という有り難くない事象も話題もなりましたが、コロナ禍の巣ごもり需要拡大により高級品の注文も増えているとか。

鬼を退治するストーリーのモデルなら、何といっても桃太郎。ただ、原作で鬼は何も悪いことをしていなかったそうで、鬼ヶ島にある財宝を奪いに行った桃太郎について、福沢諭吉は「ただ欲のためにしたことで卑劣千万」、芥川龍之介は「山だの川だの畑だのへ仕事に出るのがいやだったせい」とボロクソに非難しています。鬼の悪辣な行為は辻褄合わせの事後創作みたいです。そう言えば、「泣いた赤鬼」はいい奴だし。

昨今大ブームとなった「鬼滅の刃」に出てくる鬼達は、人を喰らう悪党で成敗されても当然の輩です。ただし、その見た目は古来から馴染んだナマハゲのような容貌からは程遠く、むしろ化け物という表現が正確かもしれません。ちなみに当社では、朝会におけるYG君の紹介をきっかけに今更「進撃の巨人」を見る社員が増加中。あの作品が描く巨人同様、鬼は言霊が示唆する「恐怖」の象徴に過ぎないのかもしれません。

「恐怖」≓「鬼」の姿が分り易かった世の中は、まだ幸福だったはずです。今現在、世界中の人々が現実に対峙している鬼は新型コロナウィルスであり、目に見えない敵との先の見えない戦いでは、人々が互いにののしりあいながら誰かの責任にしたくなるから。私は博愛主義者ではありませんが、こんな時代にこそ世界中が力を合わせて、大きな声で叫べればいいなぁと願います。心と腹の底から、大きな声を張り上げて。

「鬼はそと、福はうち!」(T)

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