顔真卿の展覧会

先日、東京国立博物館に、特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」を観に行ってきました。

東京国立博物館は、埴輪や仏像、日本刀に能の衣装など、日本と東洋の文化財が展示されているところです。とても広くて、そこら中が国宝や重要文化財だらけ、素人目にも高価そうだなーとわかるものがたくさんあります。

今回は、特別展ということで、唐の時代の顔真卿を中心に、漢字の歴史をたどるとともに各時代の優れた名筆をみることができる内容になっていました。

最初期の頃(紀元前千年くらい)の作品として、漢字が彫られた牛骨や青銅器が展示されていました。その後、石碑から墨でコピーされた文字、最後に紙に墨で書かれた漢字に移っていきます。漢字の書体も時代とともに大きく変わり、最初は篆書、隷書だったのが、次第に洗練された楷書へと進化していきます。

私は書道は小学生の頃に無理やりやらされただけなのでよくわかりませんが、書道に詳しい人は、筆の運びなど、とても細かく見るところがあったようです。

展示の中で一番有名な、顔真卿の肉筆である祭姪文稿は、戦乱によって従兄とその未子を亡くした顔真卿が、亡骸を前に書いた弔辞の草稿だそうです。最初はきちんとした筆致ですが、次第に文字が激しくなり、感情の高まりが見られます。私は、えらい殴り書きだなーと感じるくらいだったのですが、やっぱり著名な名筆だったようで、10分くらい列に並んで待った後に、ようやく前を通って作品を見ることができました(しかも、立ち止まると怒られる)。なかには、「8回目ですねー。申し訳ないけど、立ち止まらずもう一回並んでね。」と会場整理のおじさんに言われている人もいましたので、わかる人にはきっとわかるんですね。(Y)

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