バンコク伊勢丹、28年の歴史に幕

タイの首都バンコク中心部の大型商業施設「セントラル・ワールド(CW)」内に出店する百貨店「バンコク伊勢丹」が8月31日、閉店したとニュースで流れました。1992年の開業以来28年にわたり営業し、「日本の百貨店」として親しまれてきましたが、閉店の理由について「CWを運営するタイの流通大手セントラル・グループ傘下のセントラル・パタナー(CPN)と賃料の条件面で折り合わず、永続的に利益を確保することが困難と判断した」と言うことでした。

非常に残念でなりませんが、ここのバンコク伊勢丹には、私は忘れられない思い出があります。2000年前半に海外リサイクル調査として香港、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシアの東南アジアを2WEEK出張することになりました。ちょうど間の休日は、タイで迎えることとなったので、せっかくなので、寺院などを観光もと思い、同行者とバンコク市内を観光満喫していたのですが、涅槃像(ねはんぞう)のある寺院で事件が起きました。寺院には、靴を下駄箱に脱いでから中に入り案内通路に従い戻るのですが、入り口に戻ったら、私の脱いだ靴がありませんでした。誰かが間違えたのだろうとも思い、しばらくその場で待っていたのですが、待てども、私の靴を持ってくる人はいませんでした。代わりに、汚いサンダルがいつまでも残っていました。ちょうど、出張前に日本で買ったばかりの革靴でしたので、どうみても明らかに盗まれた状況でした。近くにいた警備員に連絡したのですが、近くに警察駐在に行くように言われ、警察に泥棒されたことを訴えたが、何も解決するはずもなく、引き下がるしかありませんでした。しかし、残されていた汚いサンダルで出張を継続するわけにはいかず、新しい靴を買うしかなかったのですが、やはり信頼のあるお店で買おうと、それでは高くても日本の百貨店でと言うことで、バンコク伊勢丹に行き、革靴を買いました。その時は、海外にも日本の百貨店があってほんとによかったと思いました。しかし、その靴を履き、休日後の出張を続けたのですが、スーツのズボンのすそが、やけに茶色くなっていました。そう、新しい革靴から色落ちし、ズボンについたのです。帰国後、スーツと革靴は、廃棄することになりました。なんてこった。ふんだりけったりの海外出張にはなりましたが、それも良き教訓となった思い出になったことは確かです。当時は、日本企業がこぞって海外進出していた時代です。百貨店も同様でした。海外旅行や海外出張の時に、日本の百貨店があると、それだけでほっとしていました。SDGsに対応できる日本企業だからこそ、ふたたびの海外での復活劇と言うより、進化した新しい進出に期待している今日この頃です。頑張れ‼日本。

S.S.

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