ドジャース来日の大騒ぎの翌日、サッカー日本代表、いわゆるSAUMURAI BLIUEが圧倒的な強さでアジア予選を勝ち抜き、ワールドカップ出場を決めました。歴代最強との呼び声にふさわしい内容で、本戦に向けてこれまでになく視界良好です。ただし、気になったのは、スタメン全員が欧州チーム所属で、Jリーガーが一人も居ないこと。あのブラジルやアルゼンチンも同様ですが、代表選手が全て海外組というのは発展途上国のモデルなのです。
一方、野球日本代表、通称SAMURAI JAPANはこれまでもこれからもプロ野球選手主体で編成されます。イチロー選手やダルビッシュ選手などメジャーリーグのスーパースターも適宜招集対象になりますが、WBCはむしろプロ野球選手のショーケースとなり、国内スーパースターが世界最高峰のメジャーリーグを目指す登竜門になりました。松坂選手や福留選手、世界一球団ドジャースのエースとなった山本選手も然りです。これぞリーグの底力。
要はサッカーの欧州5大リーグとJリーグの格差と比べ、メジャーリーグとプロ野球の格差は小さいのです。短期間で世界に迫るための戦略をとったサッカーと、長期間かけで文化として根付いた野球の違いと言えばそれまでですが、今やプロ野球はワールドクラスのスーパースターを生み続けています。国内で超一流とは言えない選手にまでメジャー球団が触手を伸ばすことは、プロ野球のレベルの高さと懐の深さを証明しています。
その流れも変化していて、高卒でスタンフォード大学に野球留学した佐々木選手や、当方の母校から米国のマイナー契約を勝ち取った森井選手など、プロ野球のステップを飛ばしてメジャーに挑む事例も出始めました。才能ある若者が国内トップを経由せず直接世界を目指す流れには若干陰鬱な気分になります。一般産業も同じで国力の底力に関わるから。だから、私自身は本日開幕する国内野球を贔屓にします。メジャーリーグもこっそり観ながら。(T)
