関東も少しずつ涼しくなり、ようやく秋めいてきました。私にとっての秋は、ずばり「食欲の秋」です。新米、ぶどう、なし、栗、かぼちゃ、さつまいも…などなど、思い浮かべればきりがありませんが、特に大好きなのが「秋鮭とイクラ」です。北海道の海沿いの町で育った私にとっては非常になじみ深く、毎年9月に行われるお祭りでは「秋鮭のつかみ取り」が目玉イベントの一つで、毎年大賑わいでした。家には鮭を捌く用の大きな包丁とまな板があり、まるで解体ショーのようです。そのまま焼いて、塩で味付けして、石狩鍋にして、ちゃんちゃん焼きにして、何にしてもおいしい鮭。そして忘れてはいけないのがイクラ。下処理が大変ですが、その分出来上がったイクラはまるで宝石のように輝いています。私個人的にはしょうゆ漬けのイクラが一番好きです。
そんな秋鮭ですが、近年不漁が続いています。北海道が公表している過去10カ年の秋鮭の漁獲尾数では2014年に比べて2023年は約60%にまで減っており、今年はそれをさらに下回る予想となっています。不漁の大きな要因と言われているのが、世界的な海洋温暖化による海水温の上昇です。平均海水温が高くなったことで、春に沖へ出た稚魚が十分に成長できていないこと、また秋に回遊から戻ってきた成魚が沿岸部へ近づけないこと等が考えられるそうです。
あらゆる物事に影響を与えている地球温暖化。今を生きる私たちができることを、早急に取り組んでいかなければなりません。…なんて恰好つけたことを書いてしまいましたが、食いしん坊の私としましては、小さな子供たちの将来にも旬の美味しいものを食べることができる、という選択肢を残してあげたいと切に願っております。(AY)