今年の夏、最後のブログとなります。
そう書き始めないと、今年は夏があったことを忘れてしまいそうです。
私の夏の思い出といえば、学生時代には8月末から9月にかけて毎年アメリカ合衆国西部の調査です。
調査自体はつらく苦しい思い出ばかりなのですが(笑)、訪れた場所はどこも大変素晴らしく思い出されます。
特にアメリカの国立公園の文化は学ぶべきものが多く、日本では悪い意味で使われる「観光地化」とは異なり、きっちりと管理され、環境の保全と持続可能な観光との両立がなされている、まさにエコツーリズムの神髄を見ることができました。
今回、陰鬱な現実からの逃避という気持ちを込めて、私が訪れた場所の中で印象的な2か所をご紹介します。
まずはカリフォルニア州ヨセミテ国立公園です。
ヨセミテ国立公園はシエラネバダ山脈に位置しており、見渡す限り真っ白な花崗岩(御影石)からなります。
有名なのはエルキャピタン(El Capitan)とハーフドーム(Half Dome)です。どちらも切り立った花崗岩の垂直な岸壁でロッククライミングの聖地となっています。
つぎはモンタナ州グレーシャー国立公園です。
グレーシャー=氷河の名前の通り、見事な氷食地形が見られる国立公園です。
地球温暖化の影響で、園内には19世紀中ごろには150存在したといわれる氷河ですが、2010年にはたった25が残っているのみとなりました。更に、2030年には園内から氷河が消滅するのではないかと心配されています。園内にあるグリネル(Grinnel)氷河は、地球温暖化の影響で後退した最も有名な氷河の一つです。
この2つの国立公園は夏がハイシーズンとなります。どちらも標高が高く、夏でも雪が降ることもあり、夏以外は主要な道が閉鎖されていたり、そもそも園が閉鎖していたりと、訪れることが出来る時期が限られます。
今は国を越えての移動は難しくなってしまいましたが、再びマスクをなしで大自然に飛び込める日を夢見ています(KS)