本屋と味噌屋と廃棄物屋

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いつもより少し早めに帰宅したある日の火曜日。

家から徒歩5分ほどの場所に立地するスーパーで売れ残りのお総菜を購入し、車に向かって駐車場を歩きながら、ふと目線を上げると、隣接する”本屋”にはまだ明かりがともっていた。

「まだ、やってるんだ」と思いながら、何気なく入店する。閉店間際であったこともあるが、客は私を含めて2人。店内にいた店員は3人w

雑誌や文庫本を5分ほど物色して、雑誌1冊と文庫本1冊を手に取ったところで『蛍の光』が流れはじめた。

そそくさと2冊を購入しながら、頭をよぎっていたのは「街の本屋で本を買ったのはいつ以来やろか?」という疑問。ちなみに立ち寄ったのは、街の本屋といっても売場面積が500㎡程度はあり、ゲームソフトやCD、トレーディングカードなども販売している地域のチェーン店である。

普段、私が雑誌を購入するのは主にコンビニか駅の本屋。その他の書籍はネット書店が中心で、本屋に行くとしてもショッピングセンターの中にある比較的大きな書店か、専門書の品揃えが良い有名書店くらいだ。

本屋がない自治体が増えているという情報にもうなづける。

参考:https://ddnavi.com/news/406189/a/

話は変わるが、昨年末、スキー場に向かう途中で長野県にある昔ながらの”味噌屋”に立ち寄った。

同行していた先輩がスキー場の朝市で味噌を購入したところ「とてもおいしかった」という話を聞き、立ち寄ることとなった。

愛知県生まれのDNAがそうさせるのか、味噌好きの私としては俄然テンションが上がり、スキーそっちのけでお目当ての味噌屋を探す。スマホで検索するとすぐヒットした。北陸新幹線の飯山駅から車で5分ほどの場所にあるらしい。

北陸新幹線の開通に合わせてリニューアルされたり、新たに立地したであろうおしゃれな店も多く、街の景観は木のぬくもりを感じさせるおちついた雰囲気だ。景観にみとれて、思わず味噌屋を通り過ぎてしまったが、ほどなくして無事たどり着く。

加賀谷醸造:http://kagayajyouzou.com/

ガラガラガラ・・・手動で入口の引き戸を開けると、奥から「いらっしゃいませ~」の声。

「天然醸造と機械醸造はどう違うの?」「味噌玉ってどんなものですか?」しばらくの間、製造方法や味噌の風味(詳しく書きたいのですが、眠れなくなりそうなので割愛w)など、味噌談義に花を咲かせて、私は実家用と自宅用に一年味噌を1㎏(500g×2袋)購入した。味噌談義で上機嫌になったおばちゃんから三年味噌も少しサービスしてもらう。

これが、うまいのなんの!特に三年味噌は絶品です!!

まもなく自宅用に購入した500gがなくなりますが・・・お取り寄せしようかな?!

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私が購入した一年味噌は量り売りで515円/㎏(ネットの場合は1㎏ごと)

・・・「ん?まてよ、普通に家族4人が暮らすためには何t売らなあかんねん?」

1年で10tつくって、全て売れても515万円・・・原価10%だったとしても、20tは作りたいところだ。

こりゃ大変だ(汗)うすうすは分かっていたつもりだが、うまい味噌造りにはやはり手間暇がかかる。

味噌談義で印象に残っているのは、おばちゃんが熱く語っていた「味噌の好みは人それぞれ。95%の人に好まれるよりも、5%の人に愛されたい。」かくありたいものです。

なお、ネット販売の普及で顧客(ファン)はかなり増えているんだとか。

我々の廃棄物処理・リサイクル業界は社会インフラという側面が強く、かつ作業を伴うため、本屋のように書籍を(再販制度に守られて)販売するだけでもなく、味噌屋のように5%の人に愛されれば良いというわけでもない業界ですが、昔ながらの味噌屋のように高い志をもって仕事をされている方はたくさんいらっしゃいます。

高い志を持つ皆さんと『より愛される業界』にしていきたいと強く思いました。(M)

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